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お子様のためのハーブティー

フィトテラピーの中でよく利用されるハーブティー。近年、日本でも浸透しており、セルフケアの1つとして取り入れている方も多くいらっしゃいます。最近よくおたずねがあるのは、「子供のためのハーブティーはありますか?」です。いくらノンカフェインとはいえ、ハーブは植物ですから、成分など気になるところだと思います。そのため小さな子供にハーブティーを飲ませても問題ないのだろうか、という気持ちになりますよね。そこで今回は小さいお子様(1歳以上)でも飲むことのできるハーブティーとその効果をご紹介します。

ハーブ先進国であるドイツやイギリス・欧米では幼少期からハーブティーを飲ませますが、なぜ子供にハーブティーを飲ませるのがおすすめなのでしょうか?
まずは、子供にハーブティーをおすすめする理由について説明していきたいと思います。

子供の年齢によっては、ホルモンバランスの乱れなどによって「イライラして眠れない」「落ち込む」「やる気が出ない」といった気持ちのトラブルが起きることがあります。そんなとき、リラックス効果のあるハーブティーや自律神経を整えてくれるハーブティーを取り入れることで、乱れた心を導いてくれます。

子供用の薬もあるようですが、できれば薬に頼りたくないと思う親御さんが多いのではないでしょうか。大切なお子様には、できるだけ化学的なものでなく、天然のものを安心して使用したいですね。
ハーブティーのほとんどはカフェインを含んでいないため子供でも飲めますが、ハーブティーには様々な種類があります。子供が飲むには薬効成分が強かったり、薬との相性がよくないハーブもあるため、ハーブティー選びは気を使います。

飲ませる量は?

飲み始める時期は国によっても異なりますが、カモミールやラベンダーなどの作用が穏やかなハーブに関していえば、新生児の頃から飲ませるという国もありますが、個人的には新生児の胃腸は未発達で吐き戻しや下痢などの症状が出やすいのでおすすめしません。

子どもにハーブティーを飲ませる場合は、一般的には「大人が飲む量の半量」が推奨されます。
例えば、1杯のハーブティーに2gのハーブを入れる場合、子供に飲ませるときは「1g」のハーブを使用します。
当店では、大人が飲む場合の2~3倍は薄めていただくようお願いしています。

注意点

ハーブへのアレルギーが出たことのないお子様に与えます。体質によってはハーブにアレルギーが出る場合がありますので、ハーブを使う際には事前に試飲やパッチテストを行ってください。また、ハーブを使う前に禁忌や注意事項をよく確認されることをおすすめします。子供にとって安全な選択をしましょう。
※ハーブは医療や薬の代わりではありません。投薬中、通院中など病状がある場合は必ず医師に相談のうえ使用ください。

子供に飲ませない方がいいハーブティーは?

子供に飲ませない方がいいハーブティーの代表格は、「セントジョンズワート」です。
このハーブは抗うつ作用が高いことで有名ですが、他の薬との相互作用があります。従来の抗うつ薬より副作用は少ないとされていますが、子供に対する安全性は確率されておらず、「吐き気」「めまい」「眠気」などの症状が出る可能性があります。

その他にも、「リコリス」も薬効の高いハーブです。文字通りとても甘いので使いすぎることは通常しないハーブですが、毎日1g以上摂ると血中のカリウムが低下し血圧が上がることがあります。


「キャットニップ」は猫のおもちゃに詰めてあったりと猫が喜ぶハーブです。風邪の予防や消化不良に用いられる他、安眠など癒しのハーブでもあります。薬効成分は強めですので避けておいた方が無難でしょう。

エキナセアはインフルエンザや風邪の予防や症状緩和に役立ちます。アレルギー作用にも効果があり、花粉症やアトピー性皮膚炎、アレルギー鼻炎などの緩和に効果があると言われています。最近の研究ではADD/ADHD(多動性)にも効果があると言われており、知っておきたいハーブです。傷の手当や免疫力を高める働きが強い、免疫力を高めるなどたくさんの効果が期待できるハーブですが、1歳未満の幼児は使用禁止、ドイツでは6歳以上の子供には2倍以上で薄める、イギリスではアレルギー反応などの副作用の可能性があるとして12歳以下の子供の使用は控えるよう注意を呼びかけています。子供におすすめのハーブとして記載されていることも多いエキナセアですが十分注意してからの使用をお願いします。

キク科アレルギーの方は避けた方が良いので使用する場合はパッチテストなどをして確認してから飲ませましょう。

※事前のパッチテスト
ハーブティーを腕の内側に少量塗り、24時間経っても何も症状が出ない場合は、そのハーブに対してアレルギーが無いと考えられます。

子供向けハーブティーを選ぶ際のポイント

まず、子供に適した成分を含むハーブティーを選びましょう。カモミールやペパーミント、ルイボスなど、子供にも安全で効果的なハーブがおすすめです。
ホットにすると香りが引き立つので、香りが苦手な子供へは冷やしたハーブティーがおすすめです。
ミント・レモン系のハーブティーは冷やすと飲みやすいので、ぜひ試してみてください。

ノンカフェインのものを選ぶことが大切です。カフェインはカルシウムや鉄分などのミネラルの吸収を妨げるため、成長期の子供にとっては、骨や体の発育に影響を与える可能性があります。また、神経系に影響を与えますのでイライラ、不安、不眠などの症状が出る可能性があるため、極力避けましょう。

無添加・無農薬のオーガニック製品を選び、安全性を高めるのもよいです。子供の好みに合わせて、フルーツやハチミツ(1歳未満はボツリヌス症を発症することがあるので与えないでください!!)を加えて味を調整すること楽しく飲めるコツです。

子供におすすめのハーブティー

カモミール

カモミールは世界で一番飲まれているハーブティーと言われています。「呼吸器の炎症を和らげる」「喉の痛みを緩和させる」など、喉や呼吸器・消化器粘膜の炎症を鎮静させる効果があります。その他にも、カモミールには「精神をリラックスさせる」「落ち着きを与える」などの働きがあり、眠る前に飲むとリラックスし、落ち着きのない子供や神経質な子供に効果が期待できます。
ストレスによる消化不良にも効果があり、すぐにお腹が痛くなるなどの症状がある子供にもおすすめです。


キク科アレルギーの方は避けた方が良いので使用する場合はパッチテストなどをして確認してから飲ませましょう。

エルダーフラワー

イギリスで「庶民の薬箱」と呼ばれているエルダーフラワーは、痰の切れをよくする働きがあるため、痰が絡んで咳が出るという子供によく使われます。また、カモミールと同じく喉の痛みや腫れを改善させる働きもあり、風邪の初期症状にもおすすめです。

ネトル

ネトルにはビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含有されていることから、「天然のマルチビタミン」と言われ、古くから使われてきたハーブです。ネトルは浄血や造血作用があると言われています。浄血は花粉症をはじめ、様々なアレルギー症状を緩和します。含まれる成分がアレルギー性鼻炎やぜんそくなどの症状を和らげ、血液量が増えることでより健やかに過ごせます。

ビタミン、鉄分、カルシウムやマグネシウム、葉酸などを豊富に含んでいます。
妊娠中や母乳をあげているお母さんがよく飲まれるハーブティーです。

レモングラス

「目覚めのハーブティー」とも呼ばれているレモングラスは「朝なかなか起きられない」「寝起きが悪い」お子様に効果を発揮してくれます。爽やかな香りの中に程よい甘さが感じられ、気分をスッキリとさせてくれます。
他にもレモングラスには食欲不振や消化不良を改善する働きや「殺菌作用」「リフレッシュ作用」など様々な効果が期待できるため、家族で飲めるハーブティーです。

リンデンフラワー

リンデンフラワーには「優れた鎮静効果」「利尿作用」などの働きがあります。作用が穏やかなので子供にも安心して飲ませられるハーブです。リンデンフラワーは特に体内の水分や老廃物を排出する効果が高いと言われています。「むくみが気になる」「汗をかきにくい体質」というお子様には、おすすめのハーブティーです。

当店で現在販売しています『子供とママのリラックスブレンド』には、ラベンダーとペパーミントがブレンドされています。ラベンダーやペパーミントについては諸説 (3歳~6歳以上など)あります。それぞれ0.1gの微量を鎮静のための香りづけ程度ブレンドしています。気になる方はご遠慮ください。

自然の恵みをお子様にも!!

ハーブの種類を選んで、飲み過ぎないことを気を付ければ、子供でも安心してハーブティーを楽しめます。ドイツでは民間療法としてハーブティーを飲むことが定着しています。常備薬として置いてあるご家庭も多く、医療品として認められたハーブティーもあるそうです。

自然の恵みがたっぷりと詰まっているハーブティーをぜひお子様にも取り入れて、自然の力を体感するのはいかがですか。